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#51 「それ」は夢物語なんかじゃない

last update Last Updated: 2025-11-19 23:37:43

「ところでミーシャ。」

「どうしたの?エル君。」

「次はどの授業受けるのかなって。」

 いやね?僕も魔法の話するのは楽しいんだよ?楽しいんだけどさ、そろそろ次の講義始まる時間かな〜って。

「次は礼儀作法の授業だよ。めんどくさくはあるけどね。僕も立場上ある程度はできるんだ?でもこの手の授業じゃ粗探しされてボロクソに言われるだろ?だから正直こんな講義取りたくない。エル君はどう?作法とかはどう?得意?」

「魔法程じゃないけどそれなりに頑張ったし……まぁ、貴族としちゃあ普通ってところじゃない?」

 ふっ、僕ほどの天才になると死角などないのさ!さぁ、崇めたければ崇めるといい!

「君はほんとにどうやって時間を捻出したのさ。まだ君は四歳だろう?普通はまだ好きに遊んでいる頃だろ?僕なんてその頃は剣技の修練と称して棒きれを降っていただけだぞ?魔法に礼儀作法にとそんなに手を付けていては物理的に手が足りないだろ。時間でも止めて修練したのかい?」

「そうなんだよね。やりたいこと、やらなきゃいけないことはたくさんあるのに身体が一つしかない。そのせいで中途半端になるか、どれかを切り捨てなきゃいけなくなる。そこで僕は考えたんです。なら役割分担をすればいいんじゃないかってね!あと世界単位の時間停止なんて出来るわけないじゃん。そんなの夢物語だよ。」

 さすがの僕でも修練の為だけに世界の時間止めるとかそんなのは無理だよ。個人の時間を止めるくらいはできるけどね。僕はもう少し成長したらこれで肉体の老化を止めるんだ〜!

「は?君は何を言っているんだい?身体が一つしかなくて役割分担なんて出来ないから困っているんだろう?自分を鍛えるのは自分がやらなきゃいけない。誰にも託せないんだから。」

「そこなんですよ。自己鍛錬を他の人と役割分担することはできない。でも自分一人でやるには多すぎる。なら、自分二人。もしくはそれ以上の自分自身で役割分担すればいいんだよ。」

 一人でできないなら二人でやる。当然のことだろ?

「それこそ夢物語だろ!あとほんのり禁忌の匂いがするから正直これ以上この話を掘り下げたくないんだが。」

 夢物語?想像出来ることなら実現できるんだよ。そしてそれは魔法の存在するこの世界じゃ尚更顕著だ。ならやるよね。やっちゃうよね。

「大丈夫大丈夫。ちゃんと諸々確認したし、大賢者様にも確認して脱法魔法って太鼓判押
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